5人の王子とお姫様!
これまでもきっと、昴の言動に兆候はあったのに。
拒絶されるかもしれないと、そう思うほどに怖くなって大事な弟の言葉も全部忘れていた。
私、本当に周りが見えてなかったんだ。
独りよがり、だったのかもしれない。
それを思い知って、少しだけ悲しくなったし、また泣きたくなったけど。
楓斗の言葉に背中を押されたから、多分もう大丈夫。
「楓斗」
「ん」
「ありがとう。……頑張る」
「おう」
普通に話してくれるだけでも嬉しいのに、慰めてもらって申し訳ない。
私の言葉を無視しないで、受け応えてくれて。
ああ、心配してくれてるんだなって思うと心がポカポカしてくる。
「楓斗はもう、私のこと…嫌いじゃ、ない?」
聞くのに勇気のいる言葉だった。
「っ…!」
バッと私の顔を見てくる楓斗は、すごく驚いてた。
口をパクパクさせて、何か言おうとしてたのかもしれないけど、結局恥ずかしそうにそっぽを向いて。
「寝ろ」
一言だけ、ポツリと呟いた。
……残念。