5人の王子とお姫様!



ふと、いつも側にいるはずの空がいないときょろりと見回す。


空もまた、みんなの輪の中には参加せずに離れたところにいた。


ただ、その表情はどこか浮かない。



「空?どうしたの…?」


みんなが中に入っていく中、一人だけ廊下にぽつんと突っ立ったままだった空に駆け寄ると、ぴくりと肩が震えて私から一歩距離をとる。


まるで私が触れるのを怖がっているみたい。


それが分かったから、それ以上私からは近付かずに、またそっと声をかける。


「空…?」


「……天音、ごめん」


ようやく反応を示してくれたと思ったら、出てきたのは謝罪の言葉。


この短時間に何があったんだろう。


謝られるようなこと、された記憶がない。



みんなが呼びに来ないのを確認して、問いかける。


「なんで、謝るの?」


空の顔が、くしゃりと泣きそうに歪んだ。


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