5人の王子とお姫様!

分かった、犯人さん…?




***


そうして、濃い夏休みを過ごした今年の夏が終わった。


いい思い出が沢山できた、と晴れ晴れとした気持ちで新学期を迎えた。



今日は始業式で、それぞれが急いで支度をして寮を出た。


当然のごとく、夏休みボケしている制服を着崩した問題児1名を放って早々に登校。



校舎の前で聖と楓斗と別れて、下駄箱を開けようとして手が止まる。


「……?」


なぜか半開きになっている下駄箱に疑問を抱きながら、戸を開けた。



バラバラ――と。


中から無数の何かが溢れて、床に散らばる。


それは、尋常じゃない量の手紙だった。



しゃがみこんで丁寧に一枚一枚、拾い上げる。


宛名のない、真っ白な封筒には見覚えがあった。



夏休み前まで届き続けたそれは、休みの間も届けられていたらしい。


でもこの量は、一日1通なんてものじゃなくて。


きっと、日に何度も入れられ続けていたに違いない。


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