5人の王子とお姫様!
さっきのパンフレットを私に読むように促す。
斜め上からそれを見て、思わずギョッと目を見開いた。
『東明高等学園』
(とうめいこうとうがくえん)
パンフレットと格闘すること数秒。
チラ、チラとお母さんとパンフレットを交互に、2度見、3度見する。
視線が定まらない。
「…叔母さんの学校って、確か……男子校……」
「今年から共学になったのよ」
「……そうなんだ…」
意を決して発した言葉だけど、返しを聞いて途端に冷静になった。
分かれば別に何てこともない。
とりあえず納得といった感じで、ソファーに深く座り直す。
「だけどね、困ったことがあるの」
「なに?」
首を傾げて見れば、お母さんは頬に手をついてため息を漏らす。
意外と訳ありのようで、きちんと話は聞いた方がいいらしい。