5人の王子とお姫様!



でも、先に行ったんなら、これを持っていかへんのはおかしい。


続いた聖の言葉は、不穏な響きを孕んでいた。


「もしかして、手紙の件で何かあったんじゃ……」


……は?手紙?


「手紙って何のことや?」


「それが……少しストーカーまがいの手紙が天音ちゃんの下駄箱に届けられててね、心配していたんだ。だから、手紙関連で何かあったのかも…」


何かあった…って……


「連れ去られたぁっ!?」


「…え、あ、いや…そこまでは言ってないけれど…。確証もないしね」



そんな、聖の困惑気味な言葉なんて全く聞こえず。


とにかくショックが大きかった。



何でや?何で連れ去られたん?


一体誰がこないなこと…。


そればかりが頭を駆け巡る中で。



「………ごめん。天音に……口止め、されてたから…隠してた…」


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