5人の王子とお姫様!
「先生のね、知り合いの人が後任していたのがその学校なの。偶然ってすごいわよね、先生びっくりしちゃった」
「……」
いつまでも引きずっていても仕方ない。
軽く流して切り上げればいいのに、返す言葉が見当たらなくて。
かと言って、私が黙っていてもやっぱり違和感はないらしい。
私がもともと話す方じゃない性分を、短時間言葉を交えて理解した先生は続ける。
「それにしても、通っていた高校は随分離れているわね。同じ中学校出身だった子もいないみたいだけど…」
いないのは当たり前。
誰も来ないだろう学校をわざわざ選んだんだ。
「今の子はお友達と同じところに行きたくて頑張るのかと思ってたわ。ふふ、ダメね、先生も考え方が偏っちゃっていけないわね」
「……」
「柳瀬さんはそこに通いたかったのよね?先生も調べてみたらね、部活動とか、方針とか、結構充実していて楽しそうな学校だと思ったの。特に文化祭が賑やかでとっても楽しそう!先生も行ってみたくなっちゃった」