5人の王子とお姫様!
——あれから。
職員室につくと琉羽は教室に戻っていった。
「じゃあ、行きましょうか」
そう言って、Aクラス担任の小柄な女の先生が書類をまとめて立ち上がる。
ずっと話を聞かれて、疲れてきていたから解放された気がして少し嬉しい。
廊下を進む先生の後を追いながらほっと息を吐いた。
「柳瀬さんは転校は今回が初めて?」
教室に向かう道すがら、世間話よろしく話を振られる。
無言で頷いて見せる。
そう、と相槌を打ちながら小さく笑んだ先生は可愛らしい。
「そういえば柳瀬さんは以前、船篠(フナシノ)中学校に在籍していたのよね?」
「っ……」
ドクリと心臓が嫌な音を立てる。
表情がひくついて凍りついたけど、元々あんまり表情が変わらないから。
きっと気付かれてない。