秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
「華ちゃん。帰り?」

急いで終わらせたが、さすがに締日の今日ははぎりぎりになり、焦って電車の入口に飛び込んだら、そこに崎本拓海がいた。

営業は締日は比較的暇らしい。
おそらく崎本さんならいつもは9時や10時に帰っているはずだが、締日は取引先が忙しいので相手にしてもらえず、暇なため比較的早く帰れるのだろう。

「はい。」

「どう?これから飯でも?」

ドキッとするような笑顔で話しかけられると思わず「はい」と言いそうになるが、そこはこらえる。

崎本さんは瀧佑介に比べると、さわやかな青年というかんじでまったく毒がない。
社内でもどの女子社員にも笑顔で話しかけるし、話しかけられれば全部笑顔で対応する。

けれど・・・こういう男こそ危険なのだということは・・・わかっている・・・。

「用事があるので無理です。」

「華ちゃんってさ。いつも用事あるよね?なんか習い事でもしてんの?それとも・・・」

う、ヤバイ・・・どうしようバレたら・・・

「オトコ?」

は?オトコなんているわけないじゃない。

「・・・」

「なんてね・・・でも無言なところを見ると案外家帰ったら、オトコ待ってたりしてね・・・」

「・・・」

無言を通す。下手なことをいうよりはいい。

「まぁいいや。俺も今日はこのあと幼馴染と飲むことになってるからホントはダメなんだよね。また今度ね。絶対行こうね。
俺諦めないから・・・。華ちゃんかわいいって知ってるから・・・」
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