秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~


次の週に入り、締日も近くてわたしはバタバタしていたが、
会社で見かけた瀧佑介はちょっとぼーっとしていた。

「ごめん。及川さん。先週持ってくるって言ったのに遅くなって・・・」

「いえ。大丈夫です。」

金曜日、何度もこの男に抱かれた・・・とは思えない。
わたしは、領収書の確認をした。

「瀧さんOKです。ありがとうございました。」

すぐさまPCに目を移す。
気づかれないように細心の注意を払って・・・

「あ。うん。」

そのままぼーっとして瀧佑介は去っていった。


本田萌絵が瀧佑介に声をかけている。
が、いつも通りの塩対応・・・

かわいそうになるくらいだが、本田萌絵もめげない。何を言われても、また次のときには笑顔で挑戦する。ある意味根性の座ったすごい女だと思う。

27歳のわたしより2つ下の25歳。短大卒で入った本田萌絵は仕事の出来は決していいとは言えない。
が、その可憐な容姿から男性社員には人気があり、ミス開明と呼ばれている。

男の前では笑顔をふりまき、女の前ではほかの女たちをボスのように支配しようとする。
陰でわたしの悪口を言っていることは知っている。

陰でどころか聞こえよがしに言う時もある。
そんなことはもう慣れっこだしいいのだが・・・

わたしは、PCの経理ソフトを立ち上げた。
残業にならないようにすばやく終わらせなければ・・・
今日は締めの日なので、伝票も多い。

でもアモーレに遅れるわけにはいかない・・・
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