5年目の遠距離年の差恋愛


車を走らせながら窓を開け出した彼。


外マイナスなんですけど。


「タバコ吸う。」


「はいはい、どーぞ。」


毎度の事。


「ふふ。」


車の中が寒くなるのと、煙たくなるのどっちがいい?と究極な天秤にかけられた5年前の冬が懐かしい。


「何笑ってんの?」


「なんでもないです〜。
はい、お茶。」


吸い殻を灰皿に押し付けてハンドルを握り変えた彼の手に、蓋を開けてペットボトルを渡す。


タバコの後はいつも決まってお茶を飲むのも5年前から変わらない。


年の差あるんだから、禁煙して少しでも長生きしてほしいんだけどなあ。


なんて私の気持ち分かってんのかなあ。


「ん、さんきゅ。」


分かってくれてないだろうなあ。

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