カゼカオル
恥ずかしくてたまらなく、
急ぎ足で帰っていた。

「ねぇ。ねぇってば。」
僕は後ろを向くのが怖かった。

「河上くんだっけ?
何あれ、私に対する嫌がらせなの?」

「それは違う!
話してもきっと信じてもらえないよ。」

慌てて振り向くとそこには
彼女の姿があった。

「なにそれ。あ、あの公園できかせてよ。」

僕たちは公園のベンチに座り
なんとも不思議な感じがした。

どうしても信じてほしくて、

「これを見て欲しいんだ。」
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