カゼカオル

「俺には夢があるんだ。
それで高校卒業したら海外へ5年ほど
留学しようと思ってる。
だから、一緒にはいれない。
薫から5年も奪いたくないんだ。」

彼女はなぜか動揺ひとつみせなかった。

「それだけ？私言ったよ。
ずっと風くんと一緒にいるって、
それはたとえ離れ離れになっても。
待つよ。風くんのためなら何年でも。
私待てるよ。」

そんな風に言ってくれるなんて思っても
みなかった。