カゼカオル
金魚すくいに、射的。

りんご飴を美味しそうに頬張る姿。

「美味しい〜。風太くんカッコいいよ!
とてつもなく。」

たしか薫も僕が浴衣を
着たときそう言ってくれた……。

あまりにも人が多いため
進むのでさえ困難だった。

ぎゅっと袖を引っ張る。

僕は比野さんの手を繋いだ。

歩いていくうちに人混みの中から、
背の高い大山が見えた。

その横にいるのは嬉しそうに
大山と話す薫。
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