金木犀



「俺の生活、仕事中心なんだ。」


「え・・?」


「会いたいときに会えないし、仕事中、電話出れないときもあるし・・・メールの返事もあんまり出来ない。」



「うん。」


「寂しい思いもいっぱいすると思う。」


「うん。」


「それでも、俺、奈々のこと好きなんだけど、どうしたらいい?」



ゆっくり体が離れて、けいちゃんの真剣な目に見つめられる。



「ほ・・・んと?」


信じられなくて聞きなおす。


好きって言った?


けいちゃんが私のこと好きって・・・・



「うん。ほんと。」


「わっ・・私もっ・・・すきっ」


「うん。知ってる。」



真っ赤になった顔をじっと見られて恥ずかしくなる。



けいちゃんはやっぱり余裕で、大人だ。



優しく笑ったけいちゃんを見て、胸が熱くなる。



「我慢っ・・・する。寂しくても平気!」


「ほんと?」


顔を斜めに傾けて、ゆっくり近づいてくるけいちゃん。


至近距離で見つめられて、もっと顔が赤くなる。


「ほんと!だからっ・・・・んっ」


ちゅって唇が触れた。


「だから?」


「んっ・・・」


また触れる唇。


「だから・・・」


ダメだ、恥ずかしすぎて目が潤んでくるのがわかる。


「ダメ、奈々その顔反則・・・」


ぼそっと呟いたけいちゃんとまた熱い唇がくっついた。



「んっ・・・ふぁっ・・ぅん・・」


頭がくらくらするぐらいのキス。


触れている唇から体中に熱が入ってくるみたい。


長い長いキスの後、ぼーっとする私の耳に熱い息がかかって



「だから、俺の彼女になって。」



けいちゃんの声が体全体に響いた。






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