金木犀


「奈々〜?」



何も言わない私にかわりに答えたのは由花。



「愛しのダーリンからほったらかしにされてるから拗ねてんのねー?」




その言葉を聞いた海斗が



「え?奈々彼氏いんの?」



驚いた声を上げた。




「あれ?知らなかった?」



驚く海斗に私は顔を上げる。



「聞いてない・・・」



あれ?言ってなかったっけ?


驚く海斗を目をパチパチして見てると


たまたま通りかかった 絵里ちゃん、真子ちゃんが大きな声を上げる。



「えー?!奈々彼氏出来たの?!」


「え?あ、うん//」



うちの学校は学科が5つに別れてて、その中でクラス替えがあるから、1年のとき同じクラスだった子が多い。



海斗も、絵里ちゃんも真子ちゃんも。





「え?例の?おにーさんの後輩さん?」



まだ片思いだった頃、ちょっと話したことがあったことを覚えてた真子ちゃん。




「え?誰?どんな人?」



興味津々の絵里ちゃんが海斗を押しのける。



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