触れられないけど、いいですか?
「じゃあ、行ってきます。夜、楽しみにしてるね」
来たる十二月二十五日。クリスマス当日。
平日なので、翔君はいつも通りの時間に家を出ていく。
「はい。行ってらっしゃい」
私もいつも通りそう答えーーいつも通り、どちらからともなく自然に、行ってきますのキスを交わす。
二人で暮らすようになってからしばらく経つけれど、変わらないこの習慣にはとても嬉しく思う。
……けれど。
私、今日絶対熱ある……。
玄関の扉が閉まり、翔君の足音が聞こえなくなってから、私はその場にガクンと膝から崩れ落ちるように座り込んだ。
昨夜辺りから、やけに寒気がするなあと思っていた。そして今朝起きたら、かなりの頭痛。
とりあえずなんとか身体を起こし、リビングのソファに腰掛けながら体温計で熱を測ると……三十八度一分。
恐らく風邪だろうとは思うけれど、インフルエンザだったら大変だ。
しばらく休んだ後、私はタクシーで病院まで向かった。
来たる十二月二十五日。クリスマス当日。
平日なので、翔君はいつも通りの時間に家を出ていく。
「はい。行ってらっしゃい」
私もいつも通りそう答えーーいつも通り、どちらからともなく自然に、行ってきますのキスを交わす。
二人で暮らすようになってからしばらく経つけれど、変わらないこの習慣にはとても嬉しく思う。
……けれど。
私、今日絶対熱ある……。
玄関の扉が閉まり、翔君の足音が聞こえなくなってから、私はその場にガクンと膝から崩れ落ちるように座り込んだ。
昨夜辺りから、やけに寒気がするなあと思っていた。そして今朝起きたら、かなりの頭痛。
とりあえずなんとか身体を起こし、リビングのソファに腰掛けながら体温計で熱を測ると……三十八度一分。
恐らく風邪だろうとは思うけれど、インフルエンザだったら大変だ。
しばらく休んだ後、私はタクシーで病院まで向かった。