触れられないけど、いいですか?
何でそんなこと聞くのだろうとは勿論疑問に思ったものの、飄々とした霜月さんのことだら恐らく深い意味なんてないだろう。


「次の日曜日に会う予定です」

「どこ行くの?」

「彼のご家族と縁のある方が経営しているホテルがあるそうで、そこを結婚式場として予定しているんです。なので挨拶と打ち合わせを兼ねて、二人で赴きます」

「へぇ。それって何ていうホテル? 行く時間は?」

「えっ?」

やけにグイグイ来るな……と思ったけれど、失礼な質問だと感じた訳でもなかったので、予定の日時を彼に伝えた。
そして、コーヒーが冷めないうちにと、私は今度こそ給湯室を後にした。
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