クリスマスの夜に

 それから4年後のクリスマスの夜。彼女は徒然僕の前からその姿を消し去った。
 置き手紙一つ残さず、あのペンダントだけを残し、僕の前からその姿を消し去ったのだ。

 その時僕の頭の中に沸いて出たのは、やはり実の妹を愛しては行けなかったのか。

 妹を愛する事はこの世界においてタブーなこと、近親の兄妹である僕らがお互いを愛する事を、この世界は認めてはくれなかったんだと。

 でも、僕は諦めなかった。お互いを信じ、どんなに険しくとも何を言われようとも僕の気持ちに偽りはなかった。
 まやみ、僕のこの気持ちは永遠に変わらない。

 どんなことがあっても変わりはしない。永遠のこの想い。

 舞い落ちる小雪の中。空を見上げ、あのまやみの笑顔を思い出す。
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