兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「お兄ちゃんには関係ないよ……
私が誠也と何をしようと、お兄ちゃんには関係ないでしょ」



「関係ないことねぇよ。
妹を泣かせるやつは、絶対に許さねぇ」



赤の他人のお兄ちゃんは、私のことを妹と言った。



「私は、お兄ちゃんの妹じゃないでしょ……」



しぼりだすように言った私の声に、要は振り返って玄関のドアノブから手を離した。
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