兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「敵に有利な情報与えるとか……
私って、超親切じゃない?」



涼子は俺に微笑んでから、視線を遠くへ向けた。



「こう見えて、私、結構傷ついてるんだけどな……

お兄ちゃんと一緒に要のこと訴えて、慰謝料もらっちゃおうかな?」



「涼子の兄さんって、弁護士か?」



「そうだよ……

要、やらしいことしようとしたし、慰謝料いくらもらえるかな」



涼子は長い黒髪を耳にかけ、イタズラな瞳で俺をのぞきこんだ。



「それ、マジかよ……」
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