俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「詠菜は副社長を知らなさすぎだし、何事も思い込んで決めつけすぎよ。なににそんなにブレーキをかけてるの? もう少し旦那様の気持ちを信じてあげてもいいんじゃない?」

「だって、私たちは……」

「なにが起こるかわからないから、恋なんじゃないの?」


恋?


親友の唐突なセリフに困惑する。


「詠菜が恋愛を無意識に避けてるのは知ってる。でもそれを忘れるくらい、飲料に負けないくらい、親友を恋に引き込む人が出てこないか私はずっと願ってたわ。副社長のやり方は強引かもしれないけど、詠菜はそうでもしないとずっと動かないでしょ?」

スマートフォンを片手で弄びながら、親友が困ったように眉尻を下げる。


「なんだかんだ理由をつけて恋愛から逃げてるでしょ。第一、本当に嫌だったら入籍なんてしないよね? ましてや同居なんてもってのほかでしょ」

私よりも私を理解している親友の声が胸の奥底に響き渡る。


「でも私はあの人についてほとんどなにも知らないし、好みだって考え方だって違うのに」

「お互いの情報を完璧に知ってたら、好みや考えが一緒だったら好きになれるの? これまで一度も副社長に心が揺れたりしなかった? ドキドキしなかったの?」

真剣な表情で尋ねる親友。

その指摘が、心に刺さる。
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