俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
だって思い当たる出来事が多すぎる。

気づかされる気持ちが怖い。

自分の心の奥底に蓋をして、隠した気持ちが大きすぎるから。


答えなんてもうとっくに出ている。

ただ、認める自信がないだけ。

この気持ちを自覚するのが、怖い。


無意識に制服の下に隠した指輪に触れる。


彼のように薬指にはめれないから、ネックレスに通して身に着けている。

身に着けない選択肢だってあったはずなのに、私はそれを選ばなかった。


ああ私、采斗さんが好きなんだ。


その想いを認めると、色々な出来事がストンと腑に落ちた。

如月さんとの噂に心が苦しくなった理由も、彼の一挙一動に落ち着かなくなるのも。


「雛乃、私、あの人が好き」


どうしてだろう。

口にすると、その想いはさらに濃くなって私の心の奥底に根付く。


「素直な詠菜が一番魅力的よ。後はその想いを本人に伝えるべきね」

「それは、無理よ」

「なんで?」

「だって如月さんが」

「あんなの、ただの噂でしょ」

「噂を知ってたなら、教えてくれたらよかったのに」

「明らかに根拠がない話を伝えてどうするのよ。副社長が選んだのは詠菜でしょ? もっと自信をもちなさい。それでさっさと告白してきなさい」

びしっと親友に言い切られて、返事に窮する。
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