俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「いつも大変お世話になっております。はじめまして、道木と申します」

「今、会社は関係ないから堅苦しい挨拶は不要だよ。それにしても意外だな」

「え?」

「君が噂のお姫様か。ずいぶん可愛らしいな」

口角を上げる姿は文句なしにカッコいい。


お姫様?


「くれぐれも私の部下に手を出さないでくださいね」

「心外だな。俺が興味のある女性は、今も昔もひとりだけだぞ?」

「相変わらずお上手ですね。道木さん、真剣に聞かなくていいわよ」

酷いな、と藤堂副社長が肩を竦める。

けれど彼がチーフを見る目はとても甘く、優しい。


「藤堂副社長が来られているとは思いませんでした」

「色々と大事な案件が絡んでるからな。アイツは?」

「副社長でしたら、すぐ近くにいらっしゃいますが」

「じゃあ、挨拶に行くか」

ほら、と如月さんを急かす。


「なぜ私まで同行する必要が?」

「君も向かうところだったんだろ?」

「それはそうですけど……」

「道木さんは?」

「藤堂副社長と彼女が一緒に現れたら、間違いなく副社長が怒りますよ。こんな勝手な真似をされてるんですから」

「仕方ないだろ。いつまで経っても返事がないんだから」

「私を巻き込まないでください。今でも十分振り回されてるんですから」

「それはますます興味深いな」
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