一匹狼と野良猫。
「君は家出したから、
あんなとこにいたんでしょ?」
彼の言葉に何も言えない。
確かに帰る場所なんてない。
........帰りたくない。
「ここにいりゃいいじゃん。」
その言葉に顔を上げる。
「俺も姉貴も歓迎するよ」
「そうよ、遠慮しないで?
ここをゆいちゃんと私の家だと
思ってくれればいいのよ?」
「ここ俺の家なんだけど」
「帰りたくない事情があるんでしょ?」
「おい聞けよ」
滉牙さんに耳を傾けることなく
手を握って真剣に向き合ってくれる玲花さん。