一匹狼と野良猫。


静まり返る空間に、

自分の鼓動だけが聞こえる。



「あーあ、
もっとちゃんとした時に言うつもりだったのに。
ほんと俺の馬鹿。」



急に大きくため息をつく彼にビクッと驚く。



すき。

すきだよ。



彼の言葉が反響しているみたい。

握られたままの手をゆっくり握り返す。

震える手。

恐怖じゃなく、ただなんとなく、

私も想いを伝えたら、

どうなっちゃうんだろう。っていう不安。

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