堕天の翼
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「本当に、いいの…?」

あの後…、実家から数日前に出、部屋探しをしながら…雅人の家に居候している…という悠を連れ帰って来てしまった…瑞希…

キッチンで、グラスに2人分の烏龍茶を注ぎ入れ…、そのグラスを運びながら…

「…あ。うん…」
《お母さんにバレたら…、かなり怒られるだろうな…》

手に持っていたグラスを悠に手渡す…

「親に何が…、言われたら…言ってね」

そのグラスを受け取りながら…、言った悠…

いつもの…、穏やかに笑う悠に戻っている…

瑞希は、彼の隣りに腰を下ろし…、その腕にしがみつき…、頷き返した…

「…大丈夫だから…」
《喫茶店での彼は、初めて見るような顔つきをしていた…、

彼は、何から…逃げてきたのか…?


【家を出てきた】…っと、言うことは…余程のことだとは分かるけど…》

瑞希は、悠が何故…、義理とはいえ…姉の奈都子と関係していた…その理由を聞き出せずにいた…

悠が話してくれるまでは…、詮索するようなこと、したくはなかった…


「ありがとう…。でも、なるべく早く出てく…」

悠は、瑞希の身体を抱き締め…、瑞希は、その悠の背に手を回した…


「……っ」

瑞希の頬に触れ…、一瞬、視線がぶつかった2人…。。唇が重なり合った…


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「…え? 成宮くん、雅人のとこにいるの?」

その日のほぼ同時刻…、自室で雅人と電話で話している瑠樺…

『なんか、家を出てきた…って。家出とかじゃなく…一人暮らし…するつもりで…って。その為に、バイトもしてたらしくて…』

その電話の奥の雅人の話の内容に…、瑠樺は、【あの姉じゃ、逃げたくもなるわ…】と、思った…

『で、お前…、あの姉さんから連絡来ても…【知らない】で通せよ。家出るの…反対されたって言ってたから。』

「わーかってるてば…。」
《それよりも、あのお姉さんは、あたしのとこに連絡しに来ないょ…

だいたい、ウチらより5つも6つも上なのに…、働きもせずに…何やってんのか? ナゾすぎるし…っ》


その後、雅人と少しの会話をし、通話を切った瑠樺…

その直後、再び…着信音が鳴り響いた…。。そこに表示された名に…、一瞬、心臓の鼓動が早まった…

そこには、【漆原 琢磨】と、表示されていた…





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