堕天の翼
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「2人で、成宮の家に行った…って?? なんて、危険なこと…」

と、その日の夜…、瑞希と瑠樺は、雅人と共に、瑞希の父親・恭一のマンションに来ていた…

「そんな…言わなくても…、証拠、見つけてきたんだからさ〜! あのお姉さん、いなかったし…」

そぅ、あっけらかんと何の反省もなく…言ってのけた瑠樺に、雅人はなおも呆れる…

「なんかあったら、どうするんだよ?」

瑠樺は、【うるさいな〜】と、ボヤいて見せた…

「しかし、今回は何も無かった…としても、女の子2人だけで行くのは浅はかだったね」

と、雅人とは違い…冷静な口振りで言う恭一に、瑠樺は…肩をすくめる…

「でも、マンションの契約書と薬の説明書き!あったんです。これ、証拠になりますよね?
あと、マンションの保証人って人」

そぅ、2人の前に携帯で撮った画像と薬の錠剤を見せる…

その契約書を見た恭一…

「マンション…か…、そこに彼がいる…とは、言いきれないよね? 薬も…、本当に彼のお姉さんが飲ませていた…とは、私たちの仮説でしか過ぎない…。。
決定的な証拠にはならない…
しかし、この保証人は…、彼女のなに?」

と、納得している様子ではない恭一に…

「たふん、この姉さんのモト!婚約者?」

「お父さん、これじゃ何の証拠にもならないの?」

「そういうワケじゃない。音声データや画像データがあれば…という話だ。
しかし、マイスリーにリスパダールか…」

神妙な顔つきになった恭一に、瑞希は首を傾げる…

「どちらも、向精神薬だ。精神科の…不眠症患者に処方される…。躁鬱状態…という診断だろうね?
薬の入手先は、ここか…
しかし、これを彼に飲ませていた…となると、副作用もかなり強いけどな…
誰か、薬に詳しい人間が、そのことを伝えないと…一般人は知らない…と…」

恭一は、不安気な表情をしている瑞希に笑いかける…

「大丈夫。明日、彼のお父さんに会う約束したから…。今日、そのお父さんが経営している会社にも行ってみたけど…何かあったのかな? ちょっと、バタついてたけど…」

と、微かに不敵な笑みを浮かべている…、。恭一のその言葉に…

「私も行く!」

予想通り…とも、取れる瑞希の言葉に…、恭一はにこやかに笑いかける…

「そう言うと、思った。」


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その日の夜…。。自宅アパートに戻って来た瑞希…

アパートの部屋の前に、誰かがいることに気がついた…

「やっと、帰ってきた…瑞希ちゃん…!」

と、にこやかな笑みを浮かべる…琢磨だった…

瑞希は、何故この人が自分の部屋の前にいるのか…分からなかった…が、悠の姉の奈都子は、瑞希の自宅アパートを突き止めていた…と、予想はてぎた。。きっと、また何かよくないことだろう…と。

「何か…?」

そぅ、琢磨を睨みつけながら言った瑞希…

「そう、怖い顔しないで…。そろそろ…、あのお姉さんの弱みにたどり着くかな?と、思って…」

その琢磨の言葉に、瑞希は…何か偵察に来たのだろう…と、思った。

「ソレ、あなたに関係ありますか? 偵察に来たんでしょうけど…何も…」

琢磨は、瑞希の目の前にスマホの画像を見せる…そこには…。。部屋のベッドの上に横たわる悠の姿があった…

「…成宮くん…っ!」

すかさず、そのスマホを琢磨から奪い取ろうとする…が、力で適うはずがない…

琢磨は、瑞希に渡さないよう…スマホを高く掲げ…

「アイツは、とりあえず…無事。
それより…俺、決定的な証拠。持ってるよ…
例えば…、音声データ…とか…」

その琢磨の言葉に、瑞希は再び琢磨を睨みつける…。。何かある…と…

「あの、姉ちゃん。そろそろヤバいし…成宮の親父さんが愛想尽かしたら、完全にOUTだし。こんな画像、拡散されて炎上しちゃってたら…捕まるのも時間の問題
頼みの綱だった…主治医で婚約者だった医者にもサジ投げられたしね?」

と、笑顔を浮かべながら言った琢磨…

今度は、先日の悠が連れ去られる場面を魅せる…そのSNSには…

とある投稿者のコメントに…
『この女、知ってる…。TOWAって会社の社長の娘…』

その投稿を引き金に…、会社について…と、その社長の娘について…次々と投稿されていた…

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