上司との結婚は致しかねます

「それから。
 部屋は別でもいいが、帰っても寝るのは一緒のベッドにする。」

「え……それ、部屋別になってませんよね?」

「いや、着替えとかは部屋ですれば?
 そこまで鬼じゃないから、俺。」

 前に鬼上司だって思っていたってバレた時のこと根に持ってるな………。

「心配しなくても初めては特別にしたいから、マンションでは襲わない。
 ま、何度も連れて来れないから、藤花が確実に俺を欲しがるよう俺に慣れさせるけど。」

 全然安心できない言葉の羅列に怯みながら私にとっては当然の言葉を向けた。

「私、俊哉さんといたらどこでも特別ですよ?」

「……ッ。藤花、やっぱり俺のこと試してる?」

「え、何が?どうしてですか?」

「いや、いい。もう寝るぞ。」

 何度目かの寝るぞの台詞に目を閉じた。
 すぐ近くにあるぬくもりに幸せを感じた。

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