Fleur rouge
回想
いつからかな。私は猫を被るようになった。猫を被るのが一番生きやすいと思ったから。昔と同じ目に合う訳にはいかないから。

私は生まれてすぐに『長谷』という苗字を貰った。重荷でしかないその苗字を捨てることが出来なかった。そのため、より一層質が悪い。重荷でしかない理由として、私の父親が大きな会社をいくつか経営しているからである。そのような職は、父の父_私のお爺さんから譲り受けたものである。"私はやりたくない"。そのような私の素直な心境は曖昧な為、受け入れてもらえず。兄や姉がいれば良かったものの、兄や姉は愚か、弟も妹もいない私は父の跡継ぎとしなければならない。でも、きっとそれが運命ってものだから。いくら"やりたくない"そう嘆いても死なない限り受け入れなければならない。きっと、それが運命だから。時には運命って残酷だわ。
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