犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



「そんなんじゃないですから!」


とだけ行って私は玄関に向かった。
扉を開けると、私服姿の三宅くんが爽やかに立っていた。
シンプルの中にも靴下やコートから覗くニットが綺麗な色使いをされていて初めて見る私服姿に素敵だなと思う。


「ごめん。早かった?」


「ううん!全然!
準備してくるからちょっとだけ待ってて」



三宅くんを玄関に待たせたまま再び部屋に戻ると、柳原さんに「温泉で詳しく聞くから♡」と言われてしまった。



話すことなんて絶対なんにもないのに...



興味津々の柳原さんの目を思い浮かべると、楽しみだった温泉がちょっと憂鬱な気分になる。



やれやれ...と思いながら三宅くんのもとに行くと、にっこりと優しそうな笑顔で迎えてくれた。




浅香なんかより三宅くんの方が絶対素敵な彼氏になるんだろうということは私にでも分かるんだけどなぁ



今からでも三宅くんのこと好きになれたらいいのに。とふと思いながら三宅くんの隣を歩いた。



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