犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



浅香の正直な言葉は私の胸にズキュンズキュンと強く突き刺さる。



あの浅香が素直に気持ちを話してくれたんだから、私もちゃんと向き合おう。
もう、遠回りでもなくて、永久に近づけない平行線でもない素敵な関係になりたい。



その想いが私の背中を押した。



「私も。

浅香のこと。ずっと気になってた。
入社した時からずっと。
でもそれは恋愛的な意味じゃなくて、仕事のライバルといえば、おこがましいのかもしれないけど仕事仲間としてすごく意識してた。


それなのに。浅香が私のことをあまりに大事そうに女の子扱いしてくれるから。
本当にドキッとしちゃった。
最初はやなとこばっかだったけど、今ではそこも含めて浅香だから。
浅香のぜーんぶが。スキ」




私の言葉を最後まで聞き終えることなく、浅香は強く私のことを抱きしめた。




「待ってた。マジで。この瞬間だけずっと」



そう言いながら浅香が幸せそうに笑う顔を見て、私も幸せな気持ちがいっぱいになる。




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