犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
突然の私の言葉にん?と少し考えたのち、
「あぁ、やっと相談乗ってくれる気になったんだな」
と浅香が今までの表情が嘘だったかのように、仕事モードの真剣な顔つきになった。
そんな浅香の様子に引っ張られた私も完全に仕事モードに頭が切り替わる。
「まぁ、社会人としてのエチケット?ってかマナー?なのかな?」
「いや、でも。
仮にお前がすっぴんで出勤してきても、誰も失礼だとは思わねぇじゃん?
取引先に行く訳でもないし。」
まぁそう言われてみればそうよね...。
だけど、じゃあ明日からすっぴんで出勤してくださいって言われても私はそんなことはしたくないし、出来ない。
「うーん、やっぱり身だしなみなんじゃない?浅香で言う、寝癖ついたまま出勤するってことと感覚的には一緒かもね」
私の言葉に、なるほどね。と頷きながら、
いつの間に頼んだのか分からないハイボールをぐっと飲んだ。
やっぱり悔しいけど、浅香の仕事モードの真剣な顔と上下に動く色っぽい喉仏は格別にカッコよくて、
いたたまれなれなくなった私も手元のハイボールを飲み干した。