犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



朝礼の間は、だるそうにしていた浅香でも、仕事モードに入ると、まるで別人。


パソコンに向き合う表情は真剣そのものだ。



コイツの頭の中の、ON/OFFスイッチはどーなってるんだか...
ほんと、脱帽するレベルですごいわ。



頭の中で浅香の悪口をブツブツと唱えていると、


「あー。やべぇ。スランプきたかも...」


と言いながら、隣で頭を抱え始めた。


そりゃ、二日酔いの頭で考えられることなんて、限られてるでしょ。


私は今の浅香の状況を冷静に考えていたけれど、後輩の愛華ちゃんは


「浅香さんにもスランプなんてあるんですね〜

今夜、よかったら相談乗りましょうかぁ?♡
今日金曜日だし、私、何時までも付き合いますよ...?/////」



と浅香の腕を掴んでユラユラと身体を揺らしながら話している。


わぁー、積極的〜〜!!
さすが、今どきの肉食系女子だわ。


なんて、呑気なことを頭の中で考えてたら、


「桜木わりー、今日は守屋が先約」


という言葉と共に、私の肩をガシッと掴んで引き寄せる浅香とバッチリ目が合った。



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