犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



その後もデパコスコーナーに足を運び、
各ブランドで同じことをした私たちは、完全に疲れきってヘトヘトになってしまい、
近くのカフェに這いずるように入って、
ふぅ〜とひと息ついた。



「あー。マジ疲れた。でも、結構いい収穫」



コーヒーを飲みながら満足そうな浅香は、さっきまでの仕事モードの表情から少し緊張感がとれて、柔らかい表情をしている。



私もかなり疲れたけれど、限定コスメの案に使えそうなポイントが数多く見つかって、思ったよりもいい時間を過ごせた。


「浅香のその外見と外ヅラの良さにはほんと、びっくりする。
あんなにペラペラと詳細話してくれるなんてね」


「うん。さすがに俺でもあの詳しさは割とビビったけど。
おかげで、いい案浮かびそうだわ」



そんな言葉と共に、足を組み直してもう一度コーヒーを口に運ぶ姿さえも絵になる浅香と休日を過ごしているのはなんか、変な気分だ。


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