犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら




「だから、私も、頑張ろうと思って...。」

「うん。」

「浅香さん。の隣に行けるように。」

「.....うん?」



愛華ちゃんから発された言葉にふと手を止める。聞こえ間違えかと思うほど少しちんぷんかんぷんな話題に私の頭は軽く混乱した。



「え?浅香?」


「はい。だって、同期でデスクも隣で、聞くところによると、家も近いって。
私から見ても、浅香さんは守屋さんのこと頼りにしてるし...。いつも2人は何かと隣同士だし。羨ましいなって。


私、入社したときから浅香さんのこと好きなんです。

だから、私、守屋さんの位置まで行けるように頑張ります」


なるほど...。


さっき私のことを憧れだと言ったのはこれを言うための建前か。



で、私と浅香の関係性が羨ましいから、私を抜かして、自分が浅香の隣に居られるように頑張ると...。



< 80 / 259 >

この作品をシェア

pagetop