彼の溺愛はわかりづらい。

「なんで？別にいいじゃん」



お、さすが根性あるギャルAさん。

ここまでやんわり断られても食い下がらない。



「…好きな奴が、いるんで」

「え、海堂、そーなの！？」



聞いたことねぇよ海堂。
っていうかそれなら、私にウザ絡みしてくるんじゃなくて、好きな人にアピールでもなんでもすればいいんじゃ…。



「え、好きな奴いんのに、女子と二人でファミレス？何、プレイボーイ？好きな子に誤解されるよ？」

「ほらー、やっぱりそうだよ、海堂」



よく言った、ギャルAさんよ。

…っていうか、いつの間にかギャルBとギャルCがいなくなってるけどいいのか、ギャルAさん。



「別に、いいんです。むしろ、誤解されたいというか…」



少しだけ頬を染めて言う海堂。


え、やだよ。私、修羅場に巻き込まれんのは嫌だからね。



「はっはーん。なるほどー。そーゆーことかー。へぇー」



なのにギャルAさんは、それはそれは楽しそうに聞いて、しまいには海堂を茶化している。

…コミュ力すごい。