彼の溺愛はわかりづらい。

そんな中で、私の口から出てきた言葉は、



「いや、イミフなんだけど」



…至って正論だと…思う。



「お前、俺の彼女になれ」

「冗談だとすぐにわかる冗談はやめとけ」

「冗談じゃねーよ。山センに誓って」



…これってまさか、マジ告白？

なんで？罰ゲーム的な何か？
…けど、山セン（最恐教師）に誓ってるぐらいだし…？


…あ、でも「好き」とは言われてない。


あー、もう、なんだこれ。なんでこのタイミングで言うんだ海堂。
迷宮入りしそう…。



「…おい、何か反応しろよ」

「…これって夢？だとしたらどこから？」



…いや、夢だとしても見るはずないような夢だと思うんだけど。



「ちげーよ」

「…海堂、ちょっとこっち来て」

「なんで」

「いいから」



既にキャパオーバーして使い物にならない頭で、ほぼほぼ何も考えることすらできないまま、すっごい不審な人間を見るような眼で近づいてきた海堂の頬っぺたを、思いっ切りつねった。