秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

《だめ!……あっち行って!行って!》



指先に留まる、赤い星。

ローズマリー令嬢から発された、数々の赤い粒子。

アルフォード様の周りを飛び回っていた……王太子様らの周りにもいて彼らを狂わせた、禍々しいものを放つてんとう虫。



「……あのてんとう虫が【邪気】だというのですか」

「【邪気】は限られた者にしか見えません。そして、人によって様々な形に見えます。ラヴィ、貴女にはあの娘の【邪気】がてんとう虫に見えたのですね」

「……」

落ち着いて考えれば、わかることだ。

ローズマリー令嬢が邪気による禁術【魅了】を使用したとなら、彼女が【邪気】を発するのは当たり前。

「……だとすると、その『世界に蔓延る邪気』というのは、その、ローズマリー令嬢のてんとう虫を指すのですか?」

「あの娘は王太子殿下に【魅了】を使いました。王族の精神系統を操ろうとは、立派な国家転覆罪です」

「王族を【邪気】で害したから、『世界を恐慌に陥れる』と……?」

「それが世界の危機、精霊王様はそう判断されたのでしょう」

「……」
< 243 / 399 >

この作品をシェア

pagetop