秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
思わず異を唱えてしまった。だって、あのお優しいアゼリア様が令嬢を寄って集って虐めるなど……!
だが「そこなのよねー」と、ローズマリー令嬢は口を尖らせる。
「アゼリアは出しゃばってくるし、口はうるさかったけど……危害を加えてくることはなかったのよね。だから、自作自演したけど」
「は、はぁっ?!」
「だって、アゼリアが私を階段から突き落としたりしないと、イベントが発生しないもの!だから……!」
だから、虐められてるフリを?ローズマリー令嬢への虐めは、全部嘘だったの?!
そして、嘘の虐めでアルフォード様らに泣きついて断罪を……?
この令嬢、とんでもない根性だ。
ーーまたまた話に戻る。
そして、この物語の結末は……身の毛もよだつ恐ろしいものだった。
そうして、ヒロイン・ローズマリーは、攻略対象だかと親密度を増して愛を深めて紡いでいく。
ローズマリーとの愛に目覚めてしまった王太子様や令息らは、婚約者がいるにも関わらずローズマリーを選ぶのだ。
今までローズマリーを虐げてきた令嬢との婚約破棄を宣言し、ローズマリーとの婚約を、学園の卒業パーティーにて声高らかに宣言するのだった。