ぽっちゃりな私達が上京したら人生変わった話
期待に胸を膨らませた4月の春

特注で頼んだ人一倍大きなブレザーに腕を通した。

ワクワクしながら門をくぐった。

だけどすぐに俺は現実に引き戻された。

ヒソヒソと聞こえる声たち

汚いものを見るような目で見てくる人たち

俺は見て見ぬ振りをして自分の教室へ向かった。

親がいなくてよかったーーー。

俺はふと思った。もしここに母さんや父さんがいたら。

絶対怒るし何より悲しんでしまうと。

こんなの慣れているから大丈夫だと俺は自分に言い聞かせた。

入学式は何事もなかったように時間が過ぎていった。


< 26 / 33 >

この作品をシェア

pagetop