水瀬くんは浮気をする生き物です




「で、でも紫乃くんいい人だったよ!にこにこしてて話しやすいしっ」



「そう?」




「うん!私が口下手なの察してくれたのか途切れないように話題振ってくれるし、多分蒼くんが思ってるより優し」




「ふーん…」



「わわっ!」




2人並んで歩いていたのに不意に立ち止まった蒼くんに手を引かれて、強制的に歩みを止められてしまった。




「つまんない、その話」


「えっ」



「紫乃っていうか、他の男の話、つまんない」




え、え、蒼くん、何その顔。



眉をひそめてムッとしたような、まるで拗ねてるみたいな表情に胸がきゅっと音を立てた。



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