水瀬くんは浮気をする生き物です



「やば、思ってたよりうれし、い」



片手は握ったまま、腰から離れた手で顔を隠すようにした蒼くんの頬が赤くなっているように見えたのは、暖色の街灯のせい?





「言わせといて心の準備できてないとか、だっさいね。はー、恥ずかし」



そのままパタパタと顔を扇いだ蒼くんがゆっくりと歩き出すから、私も合わせてついて行く。




「ていうか浮気とか、俺が言うなって感じだよねえ」



「そ、そんなこと…!」



「いや、無理しなくていいよ。」




皮肉っぽく笑う蒼くんにスパッと遮られてしまって、そんなこと思ってないのに口をつぐむしかない自分が不甲斐ない。




「心和はさ、どこからが浮気だと思う?」



「ど、どこから…?」



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