私の未来は、君がくれた光
プロローグ
風の強い日の屋上で、ひとりサンドウィッチをかじる。
片手にスマホを持ち、おもむろにメッセージアプリを開くと、とある人物から大量のメッセージが届いていた。
その人物の名前は、木瀬樹弘。同じクラスで、男女問わず人気者。そんな彼は、密かに私の彼氏だったりする。
樹弘とは正反対の性格で、そんな彼が私と付き合っているとバレたら、熱狂的な彼のファンに妬まれてしまう。
だから、付き合っていることは秘密にして、私はこうしてひとりで昼食を食べている。
屋上には案外人がいない。もともと静かなところが好きな私にとっては、この静かな屋上は最高の場所なのだ。
彼とのトーク画面を開き、そこに映っていた文は衝撃的なものだった。
『別れよ。』
『なんか、俺のことが好きって人がいて』
『その子、すごい可愛くてさ』
『思わずOKしちゃったっていうか?』
『まぁそんなわけで、お前とは別れるわ』
『じゃーな』
しばらく何の言葉も浮かんでこなかった。約一分間そんな状態で、浮かんできた言葉は「最低」だった。
つまり彼は、顔が可愛い方を選んだというわけで。
最初に告白してきたのは彼のほうで、男性が苦手な私は断ったのに一週間くらい粘られ、根負けして付き合い始めたのに。
しかも、一緒にいるうちにだんだん「いい人かも」なんて思い始めていたのに。
顔がかわいい子に告られたらあっさりと別れを告げる。
「・・ほんと、最低すぎ」
これだから男の人は嫌いだ。いつでも自分勝手で、自分が中心で、周りのことなんか何も考えない。
私は樹弘のアカウントをブロックして、トーク画面も削除した。
スマホをポケットにしまい、残りのサンドウィッチを食べて教室に戻る。
教室では、美男美女のカップルができたとクラスメイトが大騒ぎしていた。
私はそんな様子を眺め、「表面だけのクズなのに」と独り言ちた。
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