雷王に愛された花
あっという間に帰る日になってしまったわね。なんだか信じられない。たった2週間しかいなかったなんて。彼の詳しいことなんて伯爵だってことしかしらないけど、どんなに優しい人かは分かったつもりだわ。

彼がくれたピアスは自分を律してくれる鍵として、大切にしたい。私が私らしくいるために。

「失礼致します。私ザガンと申します。クリス様に使えております。この度は我が主の命を救っていただきありがとうございました。このお礼は必ずお届けに参りますので。」

「いえ。当然のことをしたまでです。お礼の必要などありませんわ。それよりも、山を越えるそうですが、雪は大丈夫ですか?」

「はい。万全の準備をして参りましたので。警備も精鋭部隊を組んでおります。」

「いらない心配でしたね。道中お気をつけてください。」

「ありがとうございます。支度を終えたクリス様がご挨拶に伺いますので。しばらくお待ちくださいませ。」

「分かりました。」

伯爵家の長男はもう実務をこなしているのかしら、、、?側近がいるってそういうことよね、、、やっぱりすごいのね、、、

「ミレイ。短い間だったけど楽しかったよ。ありがとう。」

「私も初めてのことばっかりで楽しかったの。毎日あなたから国の話を聞くのが楽しかった。自分の知らないことを教えてもらうのはうきうきしたわ。寂しくなるけれど、あなたは元々会うはずのない人。もといた場所に戻るだけだと、思えばいいのよね。」
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