洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
なのにユナが、『魔力タンク』が来ない。
現段階の『魔導自動車』を動かせるのはユナくらいのものだ。

同じ四天王の誰か、あるいは自分自身でも多少は動かせなくはない。しかしまともな検証結果が出せるだけの距離が、回数がこなせるかというと――無理である。

ユナが、ガソリンが来ない。
これではライルの大事な研究が先に進まない。

「あ~っ、しかしどうなってんだ?アイツ」

ユナが研究所に来ないなど、今まで一度たりともなかった事態だ。
それも何日も。

入所以来遅刻ナシ欠勤ナシ残業アリの皆勤賞絶賛更新中であったのに。

風邪か?まさか。
アホは風邪なんざひかないはずだ。

「……行ってみるか、屋敷」

ここでひたすらボンネットを磨いていても埒があかない。

ライルはそう決めるとすぐに『移動』の魔法を発動した。


そうして訪れた屋敷に――ユナの姿はなかった。
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