洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
だが、できる者はいる。
ライル自身のように。

それは魔王の側近の中にも複数。
だから破壊した。
ユナの移動先を辿れないように。

 
起き上がるとクラリと目眩がした。
魔力欠乏の症状だ。

「大丈夫ですか?」

そうメイドの少女が駆け寄ってくるのを腕を振って制し、『空間収納魔法』から魔力ポーションを3本取り出すと、煽るように飲んだ。
魔力ポーションは一気に大量に取ると、酒酔いに似た酩酊状態になる。
それでも回復したのは半分にも満たない量。
一度の中距離の移動にギリギリの量。

「俺はこのままユナを追う。セバスには留守を頼むと言っておいてくれ。……あと、セバスがいない内に誰か来たら、ユナは頭の病気で寝込んでいるとでも言っておくんだな。間違ってもさっきみたいに出かけてるとか言わないでくれよ?」
「……頭、ですか?」
「身体の病気よりはずっと信憑性がある」

そう言ってライルは『移動』した。
自身の魔力の痕跡は、しっかりと破壊しながら。


ユナの後を追って--。
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