君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
私はそのまま、いつの間にか寝てしまっていた。

ふと、目がさめる。

でも、現実味がない。

(あぁ、夢か…)

そうわかるのに時間はかからなかった。

その夢の中はどこまで言っても真っ暗で、一筋の光もない。

せめて、夢の中だけでも明るければいいのに、なんて思う。

寝ても覚めても真っ暗。

もう、このまま目を覚まさずに、ずっと眠っていようか、そう思った時。

『…美桜』

確かに聞こえた。

私を呼ぶ声が。
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