君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
おばさんとは、優希のお母さんのこと。

優希の誕生日に亡くなってしまった。お父さんも。

その気持ちはわからないけど、想像はつく。

すごく悲しい。想像だけでも。

それに、優希は無愛想とか言われてるけど、人と喋るのが苦手なだけで、頑張っていた。

でも、その頑張りさえも最近はもう見ない。

全てを捨てて、諦めてしまっている。

私はもう一度、あの元気な優希に戻って欲しい。

「よしっ!」

頑張ろう。優希が笑顔になれるように、私にできることは全てしよう。

「お母さん、ただいま」

私は帰えると、母が眠っている仏壇に手を合わせた。

「ねえ、お母さん。最近、優希が元気ないんだよね。どうすればいいと思う?」

帰ってくるのは沈黙だと知っている。

それでも尋ねてしまうのは、どんなに大きくなっても、不安だから。

「待っててね、優希」

私は静かに立ち上がり、自分の部屋に向かった。
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