俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~
「どうかした?」
「いえっ。そういえば三谷商事に輸入してもらった例のボールペン、あのおばあさんがお友達に紹介してくれてもう一本売れたんです。本当にありがとうございました」
大事なことを忘れていた。
立ち上がって頭を下げると、彼はキョトンとしている。
「あっ、ごめんなさい。一本で喜んだりして」
しかも、あれは我が社にはほとんど利益がないのに。
「なんで謝ってんだ? 本当に純粋なヤツだなってちょっとびっくりしてただけ。よかったじゃないか。祝杯上げるか」
渡会さんもうれしそうに微笑んでいるのでホッとした。
でも、祝杯って?
首を傾げると彼は続ける。
「金曜だし、予定あった?」
まさか誘われてるの? 皆の憧れの王子さまに?
「予定があったら残業なんてしてません」
驚いて声が上ずる。
「それもそうだな。合コン組はさっさと帰ったみたいだし。どうせ坂巻もそうなんだろ」
「あはは」