俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~
「俺が帰ったら、また計算機が出動するんだろ?」
「そ、そんなことは……ある、かも」
正直に答えると、彼はとうとうケラケラ声をあげて笑いだした。
なんだかいつもと印象が違う。
こんなふうに豪快に笑っているところを見たことがないし、グイグイ容赦なく切り込んでくるような話し方も普段はしない。
「俺が読み上げるから入力して。計算式が変わるところは教えるから」
「よろしくお願いします」
結局素直に手伝ってもらうことにした。
それから三十分。
あっという間に書類は片付き、エクセルの使い方まで指南してもらってステップアップした気さえする。
「助かりました。ありがとうございます」
「うん」
途中で緩めたネクタイと外した第一ボタンの隙間から、私にはない大きな喉仏がチラリと見えてドキッとする。
どうしちゃったんだろう、私。
さっき密着されてから、彼のことが気になって仕方ない。
あんなことをされたことがないので、テンパってるんだわ、きっと。